福岡市獣医師会は「いのちを尊重」「すこやかな心の育成」「人と動物のきずな」をモットーに活動しています

 
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初めて犬を飼う方へ
 家族の一員として子犬を家に迎える時、特に初めて犬を飼われる方は喜びや期待と同時に、食事は何をあげれば良いのか、予防は何をすれば良いのか、病気が心配・・・など、分らないことや心配なことが次々に出てくることと思います。 今回は初めて犬を飼われる方向けに、子犬を家にお迎えしてから最初の1年間に起こる体の変化や必要な予防について説明したいと思います。
 
生後1〜2カ月 初回混合ワクチン(初年度は2〜3回接種)
  フィラリア予防
生後3カ月〜 狂犬病ワクチンと登録
  (最後の混合ワクチン接種から1ヶ月後)
生後4〜6カ月 乳歯から永久歯へ生え替わる
   
生後6カ月頃 雌では初回発情(はっきりしない場合も多い)
  この頃から不妊・去勢手術が可能
   
生後7〜9カ月 成長が落ち着く
   
1歳頃 食事を子犬用から成犬用に切り替え
   
 
混合ワクチン
1.ワクチンで予防できる伝染病
ワクチン接種で予防できるものには、犬ジステンパー、犬伝染性肝炎、犬パルボウイルス感染症、犬アデノウイルス2型感染症、犬パラインフルエンザ、犬コロナウイルス感染症、レプトスピラ症などがあります。
2.ワクチンの種類  
これらの複数の感染症を同時に予防できる混合ワクチンは、対象となる感染症の数によっていくつかのタイプがあります。どのタイプのワクチンを接種するか、獣医師とよく相談して選んでください。
3.接種時期
混合ワクチンは、生後1〜2ヶ月で最初の接種を行い、初年度は追加接種が必要です。翌年からは年1回の接種が望まれます。
4.接種後の注意  
ワクチン接種後は激しい運動やシャンプーは避け、なるべく安静にしておきましょう。また、まれに体質的にワクチンが合わないことによる副作用が起こることがあります。元気や食欲が無くなる、顔がむくむ、下痢・嘔吐、急にぐったりするなどの症状があれば、すぐに動物病院に連絡してください。
 
フィラリア予防
 寄生虫の一種であるフィラリアは蚊を介して子虫が犬の体内に入ります。子虫は約半年で成虫になり、肺動脈や心臓に寄生します。これが血液の流れを妨げて心臓に負担がかかり、さらに肝臓や腎臓などにも障害を引き起こし、命にかかわる場合があります。このため子虫のうちに体内から駆除しておくことが重要です。  
  福岡では4月から11月までが蚊の活動期ですので、5月から12月にかけてがフィラリア予防の時期となります。
  予防は体内に侵入した子虫を駆除する内服薬を動物病院で処方してもらって毎月1回飲ませましょう。スポットタイプの薬や注射による予防方法もあります。
 
狂犬病ワクチンと登録
 犬の感染症の中で、法律(狂犬病予防法)によってワクチン接種と自治体への登録が義務付けられているのは「狂犬病」です。犬を新しく飼うときは登録と予防注射を受けなくてはなりません。その後も毎年1回の予防注射が必要です。
  日本では昭和32年以降狂犬病は発生していませんが、近隣諸国では現在も狂犬病による死者が出ています。狂犬病は非常に恐ろしい病気ですので、予防注射と登録は必ず行ってください。
  狂犬病の予防注射は混合ワクチンを接種後1カ月経ってから打ちましょう。 また体調の悪い時、メスは発情、妊娠中も接種できませんので注意してください。

 
乳歯から永久歯へ
 生後4カ月頃になると乳歯が抜けて永久歯が生えてきます。乳歯が抜けかかってくると気持ち悪いので色々なものを噛むようになってきますので注意しましょう。
  通常、乳歯は自然に抜け落ちて新しく永久歯が生えてきます。抜けた時に少量の出血がある場合もありますが心配はありません。
  特に小型犬では乳歯が抜けずに残ってしまう場合があります。この場合、歯石や不正咬合の原因にもなりますのでかかりつけの動物病院に相談してください。  
  犬は人間に多い虫歯は滅多にありませんが、高齢になってくると歯石からの歯周病(歯肉炎、歯槽膿漏)が多発します。歯周病の予防は歯石の元となる歯垢の除去(歯磨き)が非常に有効です。
 
雌の発情について
生後6カ月頃になると雌は最初の発情があります。その後は半年に一回周期的に発情がきます。6カ月齢の子犬でも雄犬と交尾すれば妊娠する可能性がありますので、発情がきたら注意してください。
 発情期になると陰部が腫れて出血があります。また乳腺が張り、乳汁を分泌する場合もあります。しかし最初の発情は個体差が大きく、ほとんど兆候のない子もいますが発情兆候が無くても生後1年できちんと発情が来れば心配いりません。  
  なお、発情期は混合ワクチンや狂犬病予防注射は出来ませんので注意してください。シャンプーなども控えた方がよいでしょう。  また、不妊手術により発情や妊娠を無くすことができます。
食事について
1.年齢に応じた食事を
  人間と同じように犬にも年齢や成長に応じた食事を与えなくてはなりません。成長期や妊娠・授乳期は多量のエネルギーや栄養素が必要とされます。通常よりも高カロリー、高栄養の食事を与えます。
  ドッグフードなら1歳頃までは子犬・成長期用、1歳から7歳頃までは成犬用、7歳以上は高齢犬用が適しています。フードの袋に適応する年齢が記載されていますので、購入時は確認してください。

2.食事の回数
  1日の食事の回数は、成犬では1日1〜2回、子犬では1日3〜4回程度与えましょう。
  下痢などお腹の具合の悪い時は1回に与える量は少な目にして、食事の回数を増やした方が良いでしょう。

3.与えてはいけないもの  
  人間には問題が無くても犬にとっては有害な食物があります。手作りの食事やおやつを与えるときは十分に注意しましょう。
・ネギ類(タマネギ、ネギ、ニンニク、ニラ等)
 犬はネギ類に含まれるある種の成分によって溶血性貧血(赤血球が壊れることによる貧血)を起こします。野菜そのものが含まれていなくても、成分が溶け出しているスープなども要注意です。
・チョコレート  
  チョコレートにはテオブロミンやカフェインなどの有害な成分が含まれています。大量に摂取すると嘔吐・下痢やけいれんなどを引き起こし、死に至る場合もあります。
最後に
 一緒に暮らしていると心配なことや分らないことがいくつも出てきます。その時はまず、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。その子に応じた適切なアドバイスがもらえると思います。そのためにもいつでも相談ができるかかりつけの動物病院をぜひつくっておいてください。福岡市獣医師会のホームページ(https://fukuoka-shiju.jp/)には会員の動物病院が紹介されていますのでご利用ください。
 
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