福岡市獣医師会は「いのちを尊重」「すこやかな心の育成」「人と動物のきずな」をモットーに活動しています

 
平成30年度
平成29年度
平成28年度
平成27年度
平成26年度
平成25年度
平成24年度
平成23年度
平成22年度
平成21年度
平成20年度
平成19年度
平成18年度
平成17年度
平成29年度
平成28年度
平成27年度
平成26年度
平成25年度
平成24年度
平成23年度
平成22年度
平成21年度
平成20年度
平成19年度
平成18年度
平成17年度
 
トップページ > 家庭の獣医学
下痢について

一般にもよく使われる「下痢」という言葉ですが、これは病気の名前ではなく、糞便中の水分が増加した状態を指す言葉です。正常な便に含まれる水分の量は約70%程度です。これに対して、水分を80%以上含む場合を「下痢」と呼びます。水分が90%以上になると便は水のようになります。一般的に排便回数は増加する場合が多いです。

 症状はやわらかい便や水様便、血便など便の性状や症状は様々です。注意が必要なのは、細菌感染やウイルス感染などが原因で起こる下痢です。この場合激しい下痢を繰り返す他、嘔吐や脱水、発熱など全身症状を伴い時に命に関わるような重篤な症状を示すことがあります。
下痢の原因

原因は様々で一過性のこともあれば、他に病気がありその症状の一つのこともあります。下痢の原因を紹介します。
 
消化吸収不良

下痢の中で、特に多く見られるものが、食餌の影響を受けた消化吸収不良による下痢です(浸透圧性の下痢)。急激に食餌を変えてしまったことや食べ過ぎ、消化酵素が少ないなどの原因で腸の中で消化・吸収力が落ちてしまうと、消化されていないものが腸の中に残り、内部の浸透圧が上がります。すると、腸の中に過剰に水分があることになり、それが便と一緒に体の外に出されて下痢になってしまうのです。
寄生虫による下痢
小腸や大腸の中に寄生虫がいると下痢を起こす可能性があります。寄生虫が長く寄生すると下痢が長引いてしまい栄養状態が悪くなってしまいます。便を検査して寄生虫がいることが分かったら、駆虫薬をつかって寄生虫を駆除します。
ウイルス・細菌による下痢
パルボウイルスやジステンパーウイルス、コロナウイルスなどのウイルスに感染すると、嘔吐、発熱などを伴う下痢を引き起こします。死に至ることもあります。また、サルモネラ菌・大腸菌などの細菌も下痢を引き起こす原因となります。ウイルスはワクチンによって感染を予防することが大切です。
毒物・薬物による下痢
殺虫剤や殺鼠剤、鉛、ある種の植物などを口にして中毒を起こすと、下痢になることがあります。激しい下痢だけでなく血便、嘔吐を伴うので、急いで動物病院で解毒処置や胃の洗浄などを行う必要があります。
アレルギー反応
食べ物の中に含まれる特定のタンパク質に対し、アレルギー反応を起こして下痢になることもあります。獣医師の診察を受け、アレルギーに対応した食餌を与えます。
消化器の機能不全
消化器の機能不全から起こる下痢の原因は@胃での消化障害A小腸粘膜の障害B胆汁分泌の障害C膵機能不全に分けられます。徐々に始まり、慢性的な経過をたどることが多いです。原因を検査し、それに対応した治療を行います。
ストレス
ストレスにより下痢がおこる場合があります。
その他
腸の腫瘍や炎症、肝臓、膵臓など各臓器の異常で下痢を起こすことがあります。
下痢の併発症
下痢自体による生体への影響は、急性の下痢の場合、短期間に大量の水分と電解質が失われるため、体液の喪失により脱水が生じ、電解質の異常や重度の衰弱により動物は沈うつおよび体力の低下を示すようになります。慢性の下痢の場合、長期におよぶ蛋白の漏出や吸収不良により栄養不良が生じます。毛づやが悪くなったり、過度の消耗が見られます。
下痢の対処・治療
下痢の治療の基本はまず半日から一日食餌を抜いて腸を休ませたり、一時的に食餌の量を減らしたりして消化管に負担をかけないようにすることが大切です。
病院では症状に応じて、点滴や投薬などの治療を行います。また、原因を特定するために、糞便検査や血液検査等の検査をする場合があります。
予防
適切な健康管理と食餌管理、ワクチン接種や定期駆虫など下痢を引き起こす原因そのものを予防することが大切です。
 
会員専用ページ入口