福岡市獣医師会は「いのちを尊重」「すこやかな心の育成」「人と動物のきずな」をモットーに活動しています

 
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その1 細菌、真菌による皮膚病

梅雨が近づき、これから、犬や猫の皮膚病が多くなるシーズンがやって来ます。
皮膚病の症状として、一番多いのが痒みです。
後ろ足でかりかり掻いたり、舐めたり、咬んだりしていて気がつきます。
皮膚病だけでなく、痒みのストレスで体調を崩すこともありますので、適切な治療が必要です。

痒みの原因には、大きく分けて

1:細菌や真菌(カビ)の感染
2:ノミやダニなどの寄生虫の感染
3:アレルギー、アトピー

などがあります。

今回は、まず、細菌や真菌(カビ)による皮膚病についてお話します。
細菌の感染(膿皮症)
 これは、皮膚に付いた細菌が増えて、化膿して起こる皮膚病です。

  細菌は、毛穴の中に入って、そこで増えて化膿します。最初は、人のにきびのような感じですが、大きくなって破れると、円形のかさぶたが出来ます(表皮小環)。

  また、これから夏にかけて、急性湿疹(ホットスポット)と呼ばれる皮膚病も多くなります。痒くて、掻いたり舐めたりするために、数日でその部分の毛が抜けてしまいます。赤く、べたべたしていて、見るからに痒そうな皮膚病です。アレルギーも関係していると言われていますが、局所の細菌感染がひどくなると治りにくくなりますので、早く、病院へ連れて行ってあげて下さい。

 治療には、抗生物質や痒み止めの、外用薬、内服薬、シャンプーなどを使用します。
毛穴の中に入り込んだ細菌がいなくなるまでには、通常3週間以上かかりますので
調子が良いと思って、早く薬を止めてしまうと、再発してしまいます。
真菌症
 人では真菌症と言えば、「水虫」が代表的なものでしょう。水虫は白癬菌という菌が原因ですが、犬や猫の皮膚病は、糸状菌という菌によって起こります。子犬や子猫で、顔面、耳、手足の先、尾、などの毛が短くなり(円形の皮膚病になっている事が多いです)、周辺は赤く、中央部はふけが溜まったように白っぽくなっている時は真菌症が疑われます。成犬、成猫に見られる事もあります。

 犬や猫の糸状菌は、人にも感染しますので、特に、子犬、子猫を保護された時は、気をつけて下さい。真菌の付いた衣類、寝具、カーペットなども感染源になってしまいますから、おかしいな、と思ったら、部屋の中で放さずに、ケージの中で隔離しておいて下さい。
環境の消毒の際、真菌には、普通の消毒薬は効きません。塩素系の漂白剤を10倍程度に希釈したものが効果がありますが、漂白作用があることと、皮膚や粘膜には刺激がありますので、注意して下さい。
治療は、真菌を抑える外用薬、内服薬、シャンプーなどを使って行いますが、通常1ヶ月以上かかります。
マラセチア性皮膚炎
 マラセチアという真菌の仲間によって起こる皮膚病です。正常な状態でも、耳の中や皮膚に少数見られますが、脂の中で増える性質を持っているため、皮膚の脂が多くなると、増え過ぎて、皮膚病を起します。

  脂っぽくて、湿度の多い場所で増えますので、マラセチア性皮膚炎は、耳の中、四肢の指の間、腋や内股の部分に特に良く見られます。

  これらの部分が、黄色っぽい脂でべたべたしていて、皮膚が赤くなり、痒みが強ければ、この皮膚炎を疑って下さい。特に、シーズーに良く見られる皮膚病です。
真菌症と同じく、真菌を抑える外用薬、内服薬、シャンプーなどを使って治療します。
体質が関わっている事が多いため、治療にはかなり根気が必要です。
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